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宝塚×読書『美術品でたどるマリー・アントワネットの生涯』

  

 昨年の10月から今年の2月にかけて、六本木ヒルズで、ヴェルサイユ宮殿《監修》マリー・アントワネット展が開催されていましたね。

 音声ガイドで花總まりさんがマリー・アントワネット役をされて、やっぱりマリー・アントワネットはこの人でしょ!と思った方も多いと思います。

 私はチラシをいただいて、絶対行きたい!と思っていたんですが、行かれなかったんですよね。。。

 というわけで、マリー・アントワネット展の出展作品にスポットを当てながら、マリー・アントワネットの生涯について書かれているというこの本を読んでみました。

 

『美術品でたどるマリー・アントワネットの生涯』

 

 

NHK出版新書497

著者:中野京子

発行所:NHK出版

出版年:2016年

 

フランス革命の知識って

 私は、高校でフランス革命について習ったころ、あんまり真面目な生徒じゃありませんでした(笑)。当時は部活に夢中で(宝塚の真似をする部活で燃えていた)、授業は友達の間で科目の担当を決めてノートを分担していたので、自分が担当じゃない科目は、居眠りしたりしていたのです。

 そんなこともあり、私のフランス革命の知識っていうのは、主に池田理代子先生の『ベルサイユのばら』と、宝塚版の『ベルサイユのばら』で構成されているっていうありさまなのです。

 ちなみに、宇宙関係の知識はほぼ『宇宙兄弟』ですよ。。。ほんとにすみません、こんな状態でブログ書いちゃって。読んでくださっている方ありがとう。。。

 

この本の内容のこと

 この本は、NHK「テレビでフランス語」のテキストに掲載されていた記事を加筆・修正したものだそうです。

 新書版の本なので、一見真面目な感じの外観ですが、中身はそんなことないです。

 まず、「美術品でたどる」とあるとおり、マリー・アントワネットにゆかりのいろんな絵画や工芸品がカラーで載っています。画像はとても綺麗です。ただ載っているだけじゃなく、著者による解説もあります。語り口が親しみやすいので、ぐんぐん読めます。

 文章のほうも面白いです。歴史書っぽい堅苦しさはありません。例えば、アントワネットのいないフランス革命は、龍馬のいない幕末みたいなもんだ、みたいなことが書いてあったりします。中野京子さんの本って面白いんですね。ご存じの方からしたら、今ごろ知ったの?って感じですよね。

 読むと、マリー・アントワネットに関する豆知識みたいなのが増えます。仮面舞踏会への招待状とかも見ることができて、ベルばらファンとしては「おおっ! これが!」と思ったりします。

 

コミックの『マリー・アントワネット』

 それから、史上初めてヴェルサイユ宮殿が衣装・建築・王宮儀礼のすべてを監修したというコミック『マリー・アントワネット』も併せて読んでみました。

 

 

著者:惣領冬実

発行所:株式会社講談社

出版年:2016年

 

 このコミックはですね、マリー・アントワネットの一生を描いたものではないので、そこは注意が必要です。ここで描かれているのは、フランスに嫁ぐところから、嫁いですぐのころまでです。子どもたちの登場よりもずっと前のところで終わります。

 まさにこれからフランスの王妃になって、彼女の人生が明から暗に一気に変化していく、一番ドラマチックなところは描かれていないので、そういうドラマを求めて読んでしまうと、ちょっと違ってしまうと思います。

 この本が他のコミックと違って素晴らしいのは、さすがヴェルサイユ宮殿監修と思わせる、当時の宮殿の様子や人物の描き込まれ方です。その点は、本当に素晴らしいです。

 この本に関しては「ベルばら」みたいなテイストじゃなくて、どちらかというと、「漫画日本の歴史」みたいなテイストだと思ったほうがいいです。

 本の最後のほうに解説がついていて、マリー・アントワネットの一日のタイムスケジュールとか、当時の暮らしを知ることのできる資料が載せられていて、興味深いです。

 なんとルイ16世は、ずんぐりむっくりの体型じゃなくて、実はすごい長身だったこととかも書いてあります。192センチだって!!

 ルイ16世が、そんな「バスケやってたんっすか?」みたいな長身だったなんて、知らなかったなー。

 まだまだ知らないことがいっぱいあります。

 漫画の部分が、尻切れトンボじゃないの!と怒り出さない方にはオススメします(笑)。