美弥るりかさんが『アンナ・カレーニナ』で来年バウ主演することが発表されていますねー。
ここで主演することが餞別的な意味合いなのか、トップへの布石みたいな感じなのかというのが話題になっていますけど、わたしはトップへの布石なんじゃないかなーと思います(思いたい、っていうのもある、笑)。
内容的にも、あんまり退団の餞別っていう感じじゃない気がするし、初演のときに朝海ひかるさんも雪組でトップになる前の年に主演してるし、このふたつがはっきりした根拠になるわけじゃないですけど、なんとなく、個人の希望的観測?としてはそう思いました。
『アンナ・カレーニナ』
初演は、主人公のヴィロンスキーが朝海ひかるさんで、アンナが紺野まひるさんで、アンナの旦那さんのカレーニンが貴城けいさんでしたね。
みんな上手だったと思うんですけど、初演の2001年って17年前ですよね。
自分も若かったし、当時は登場人物の気持ちがわからない部分もあって(特にアンナの気持ち)、なんかやたらと暗い話だなーと思った記憶があります。
貴族の雰囲気と、ロシアの暗ーい感じと、息がつまるような重々しい空気とが混じっていて、なんか重厚な文学作品なんだなぁっていう感じはしました。
だけど、どこか心に残る部分があって、2012年公開のキーラ・ナイトレイ主演の映画『アンナ・カレーニナ』を見て、なんとなく、作品の魅力がわかってきました。
ヴィロンスキーとアンナが破滅的な恋に突き進んでしまうのと並行して、リョーヴィンとキティが素朴な中にも幸せを見出していく姿が描かれていて、そこがなんとも、心に残るんですよねぇ。。。
リョーヴィンは宝塚の配役でいうと「コスチャ」っていう役なんですけど、宝塚版の『アンナ・カレーニナ』だと、リョーヴィンはちょい役っぽいというか、あんまり目立たなかったような気がする(笑)。
なので、ヴィロンスキーとアンナが不幸になっていく姿がクローズアップされていて、なんか救いのない話のように思えてしまった部分があったのかなーという気がします。
自分の年齢も変わって、今見たらまた違う感想になるかもしれないですけどね。
2008年星組上演の思い出
2008年に上演されたときは、星組の若手メンバーでの上演でした。
出演者のパターンがふたつあって、主人公のヴィロンスキーが夢乃聖夏のバージョンと、麻尋しゅんさんのバージョンがあり、競わせるように続けて上演したのがすごく印象的だったと思います。
夢乃さん主演のときは、アンナが蒼乃夕妃さんで、カレーニンが紅ゆずるさん。
麻尋さん主演のときは、アンナが妃咲せあらさんで、カレーニンが美弥るりかさん。
このときは、紅ゆずるさんと同期の麻尋しゅんさんが新人のころからすごく抜擢されていて、新公で『王家に捧ぐ歌』のアイーダをやったりしてすごく勢いがあったんですよね。それが逆転していった最初の作品が、『スカーレット・ピンパーネル』の新公だったんでしょうね、たぶん。
娘役さんも当時は妃咲せあらさんが期待されているのかなーと思っていたんですが、その後トップ娘役になったのは蒼乃夕妃さんでしたね。
若手のときに抜擢されていても、その後どうなるかってわからないものだなぁ、、、と、なんだか感慨深いような感じもします。
美弥さんの演じたカレーニンは、実はあんまり覚えていなくてですね(笑)。
ただ、カレーニンを演じた紅さんと美弥さんは、なんか良かったね、と家族と話したような記憶があります。
美弥さんのヴィロンスキーに期待大!
今の美弥さんの、あの演技力と色っぽさがあったら、ヴィロンスキー役はぴったりなんじゃないですかね。わたし、すごく期待しています!!
あのお話で、主人公のヴィロンスキーの男としての魅力っていうのはすごく重要ですよね。
貴婦人の鑑みたいだったアンナが、ヴィロンスキーとの恋に溺れて破滅していくくらいの、男としての魅力があってほしいわけで、そういう意味でも美弥さんのヴィロンスキーは見たいなーと思います。
映画のヴィロンスキーも、結構ステキだったんですよ。聞いたことない俳優さんだったけど。魅力的なプレイボーイっぽい雰囲気がよく出ていました。
ちなみに映画のカレーニンははジュード・ロウだったんですけど、若かったころのイケメンのジュード・ロウでは全然ないけど、ハゲてる髪型も味わい深くて良かったです。
カレーニンも、男としての苦悩とか葛藤があって、演じがいのある大きな役ですよね。
アンナは誰だろう
今度の宝塚、アンナは誰がやるんでしょうね。タイトルロールだし、大きな役ですよね。
上手なひとが演じないとアンナの魅力が伝わらなくて、なんかどうしようもない嫌な女性みたいになっちゃいそうですよね。『凱旋門』のジョアンもそういうところあるけど。
今の月組でこれが演じられる娘役さんっていったら、海乃美月ちゃんしか思いつかないですけどね。他に誰がいるんだろう。
花組さんとかだったら、こういうの上手に演じられそうな娘役さんが何人かいそうな気がしますけどね。
美弥さんがもしトップになるなら、海乃美月ちゃんもセットで相手役になってくれたらなんか嬉しいですけどねー。そううまくいくかどうかは、わからないですけど。
まだ詳しいことが発表されていないですけど、いろいろ期待がふくらむ作品だなと思います!