宝塚テラス 

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宝塚×読書 『男役』

 

『男役』

 著者:中山可穂

出版社:株式会社KADOKAWA

出版年:2015年

 

  

 この本は、タイトルどおり、宝塚の「男役」が主人公の小説です。本の帯に、「中山可穂版 オペラ座の怪人」とありますが、まさにそんな感じです。

 オペラ座の怪人の舞台が、旧宝塚大劇場になって、クリスティーヌが若手の男役さんになった感じです。

 あまりネタバレはしたくないので、ワタシ的登場人物紹介をしてみたいと思います。

 

ワタシ的登場人物紹介

  永遠ひかる(とわひかる)

プロフィール:月組男役 研究科3年

愛称:ナッツ

こんな人:憧れのトップスターの退団公演で、研3にして新人公演の主役に大抜擢された新進男役。

「ファントムさん」を「らんとむさん」と間違えるなど、少し抜けたところがある。

 如月すみれに憧れ、家族の反対を押し切って宝塚を受験した。

 

如月すみれ(きさらぎすみれ)

プロフィール:月組男役トップスター 研究科17年(トップになった時点)

愛称:パッパ

こんな人:長身、端正な容姿。ものすごいフェロモンを発するダンスの名手。声は甘い低音。5組のトップの中でも群を抜いた人気を誇っている。

 アドリブですみれコードを無視したり、素を見せないためにお茶会をやらないなど、独自路線を貫いているため、異端児扱いされている。そのせいか、トップになるのも遅かった。

 差し入れ弁当は、一流の料亭やレストランから特別に取り寄せたパッパスペシャル。

 

扇乙矢(おうぎおとや)

プロフィール:50年ほど前の伝説的な男役トップスター

愛称:ファンファン、乙様

こんな人:癖の強い個性的な男役で、陰のある大人の男が似合った。絶大な人気を誇った美形の男役スター。

 セクシーでシャープなダンス、男役の限界を超えた低音の歌声を持っている。

「20年に1人の逸材」と言われていたが、二番手時代が長く、トップになるのは遅かった。

 

花瀬レオ

プロフィール:月組男役 研究科5年

愛称:レオン

こんな人:如月すみれを猛烈にリスペクトしている若手スター。新人公演の主演も経験済み。将来的にトップスターになるだろうと期待されている。

 永遠ひかるの登場で立ち位置が微妙に変化したため、花瀬レオのファンが、永遠ひかるのことをインターネットで叩いている。

 

笹にしき(ささにしき)←お米?!

プロフィール:月組の二番手男役スター。

愛称:コニシキ

こんな人:トップの如月すみれとは、あまり仲が良くないらしい。次期トップスターになることが決まっている。

 

夢ぴりか(ゆめぴりか)←お米?!!

プロフィール:月組娘役 (永遠ひかるより上級生)

愛称:ぴりやん

こんな人:新人公演でヒロインを演じる。気が強く、気に入らないことがあるとあからさまにムっとした顔をする。ダンスが得意。永遠ひかるに対しては、上級生風を吹かせている。

 

城戸麗子

こんな人:永遠ひかるの祖母。元タカラジェンヌ。

宝塚のことはあまり話したがらない。

 

感想

  このお話は、主人公の永遠ひかるが、名作ミュージカル『セビリアの赤い月』の新人公演で主役に抜擢されるところから始まります。この演目の内容は、ちょっと『哀しみのコルドバ』に似ています。

 永遠ひかる、如月すみれ、扇乙矢は、学年は全然違うけれど、『セビリアの赤い月』で主役のマタドール・アントニオを演じるという共通点があります。この3人の、それぞれの宝塚での出来事や、いろんな思いが交錯しながら、お話が進んでいきます。

 

 このお話は、もしかしたら好みがはっきり分かれるかもしれません。

 まず、旧大劇場で起きた舞台装置の悲惨な事故(←フィクションです!)、というのがお話のベースになっているので、凄惨な事故現場を想像すると、ちょっと怖いという点。

 それから、登場人物であるタカラジェンヌたちの、等身大の会話などが描かれているんですが、「清く正しく美しく」とはいえないようなプライベートな部分もあったりするので(←フィクションです!)、宝塚の綺麗で夢のような部分だけを見ていたい、という方には向かないかもしれないです。

 

 私はこの小説や、あとがきの部分を読んで、宝塚に100年の歴史があって、その間にたくさんのタカラジェンヌがいて、劇場っていう場所は、出演者のいろんな思い、観客のいろんな思いを一身に受け止めてきた場所なんだなー、と改めて感じました。

 現実の宝塚みたいな部分も描かれているけれど、でも小説なので、フィクションとして読めば、とても興味深い、面白い小説だと思います。


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