私は本が好きなので、宝塚関係の本の感想などを、少しずつ書いていきたいと思います。
『ヅカメン! お父ちゃんたちの宝塚』
著者:宮津大蔵
発行所:廣済堂出版
出版年:平成26年
この本は、宝塚を支える男性たちの視点から、劇団の日常が描かれている小説です。
こういうのは珍しいですよね。だいたい、宝塚を題材にした小説やマンガというのは、主人公は劇団の生徒さんという設定が多いと思います。
いろんな立場の男性が登場する短いお話が6つ書かれているんですが、それぞれのお話は全く別物というわけでもなく、登場人物がリンクしながら話が進んでいきます。
宝塚を支える男性たち
どういう立場の男性たちかというと、こんな感じです。
・阪急電鉄の社員(駅長)から、劇団の生徒監となり、月組の生徒さんたちのお父ちゃんとなった男性。生徒監っていうのは、退団のパレードで、生徒さんの横を歩いていらっしゃる、あの男性のことだそうです。生徒さんたちをサポートする立場の方のようです。
・娘の宝塚受験を支えるお父さん。
・音楽学校に入ってタカラジェンヌとなった妹を持つ兄。
・劇場で大道具の制作に携わる若い男性(やんちゃな感じ)。
・阪急本社の社員から、劇団の制作(プロデューサー)となった男性。
こういった男性たちの日常が、劇団内部の事情などを絡めながら描かれていきます。
もしかしたら、事情通のファンの方だったら知っていることも多いのかもしれません。
私みたいな、劇団の内部事情を知り得ないファンからすると、小説という形でも、こういう内部のことを知ることができて、いろいろ想像できるのは、とっても興味深いです。
元生徒さんたちに取材も
あとがきのところに、元宝塚の方のお名前も出ています。月組の元副組長さんや、宙組の元組長さんのお名前です。
こういった方に取材をしながら執筆されたということでしょうから、読み手としては、劇団の中に自分が入り込んだみたいなリアル感があり、ワクワクします。
私のお気に入りのキャラクターは、この中に出てくる「サンバ」という愛称の男役さんです。こういう男役さん、本当にいそうです。